2016年10月23日日曜日

2016年10月23日 第4主日礼拝 へりくだって

招詞
正しい神は、心と思いを調べられます。私の盾は神にあり、神は心の直ぐな人を救われる。
                                   詩篇 7篇9~10節

聖書箇所
ルカの福音書18章9~17節

説教
へりくだって 田口勇新牧師
MP3音声ファイル

言(こと)ローグ81/腎臓(キルヤー) 
正しい神は、「心と思い」を調べられます。                                           詩篇7編9節

 「心」と訳されているへブル語「レーブ」は心臓で、悟る心で知的な理解に重きがありました。これに対して、情緒的な意味合いをもつことばは「思い」と訳されている「キルヤー」です。
 「キルヤー」は、いけにえとなる動物(牛や羊、山羊)の腎臓という意味で、出エジプト記(29:13, 22)、レビ記(3:4ほか)などで使われています。腎臓は人の内奥にある感情を司る器官と考えられていたようなので、比喩的な用法では、「思い」と訳されています。
 この「キルヤー」は最も深い情動の座を意味することばで、詩篇 7:9、16:7、26:2、73:21にも使われています。訳語では「キルヤー」が「思い、心、内なる思い」(新改訳の場合)と訳されています。ほかの聖書箇所としては、箴言 23:16、エレミヤ書11:20、12:2、17:10、20:12、哀歌 3:13などです。
 「正しい神は、心と思いを調べられます。」(7:9)の「調べる」とは「テストされる」です。しかし、これは、落第させるためのテストではありません。神さまは、私たちをご自身に近づけてくださるために点検してくださるのです。感謝しつつ心を開いて神さまに信頼しましょう。
                                (銘形「詩篇の修辞」から引用)