2020年2月8日土曜日

2020年02月02日 第1主日礼拝 エステルの決意

招詞
 すべての国々よ 主をほめたたえよ。すべての国民よ 主をほめ歌え。主の恵みは私たちに大きい。主のまことはとこしえまで。ハレルヤ。              詩篇117篇1~2節

聖書箇所
エステル記4章1~17節

説教
エステルの決意  田口勇新牧師
MP3音声ファイル

言(こと)ローグ/323 「狼狽」(フール)の中でも 

 エステルの侍女たちと、その宦官たちが入って来て、彼女にこのことを告げたので、王妃は非常に痛み苦しんだ。彼女は、モルデカイに衣服を送り、それを着させ、荒布を脱がせようとしたが、彼はそれを受け取らなかった。                     エステル記4章4節 

 養父モルデカイが王の門の前の広場で、荒布を着て灰の上にすわっていることを知らされた王妃エステルは、「非常に痛み苦しんだ(新改訳2017と新共同訳)とありますが、ちょっと文脈に合いません。これに対し、岩波訳は「非常に狼狽した」と訳しています。私的にはこの岩波訳が原意に近いように思います。というのは、ここでは、フールの強意形ヒットパエル態が使われているからです。本来、「フール」は「跳ね回る」という意味ですが、ヒットパエル態では「ぐるぐる回る」という意味になるからです。まさに人が狼狽し、おろおろしてぐるぐる回る姿です。育ての親であり、神様を除けばいつも信頼しているモルデカイが、荒布を着て灰をかぶり泣き叫んでいるのを聞いたのですから、狼狽するのも当たり前でした。まだおそらく20歳前のエステルはしかし、信頼できる味方ハタクから正確な情報を得ます。その結果、事件の核心へ導かれています。私たちは、感情的になったり、昂じてパニックになるとき、神様のみ旨を見失いがちです。正しい知識や情報を求める冷静さが必要ですね。          (銘形「エステル記の瞑想」より引用)