2015年11月22日日曜日

2015年11月22日 第4主日礼拝 2人の女性の癒し

招詞
は【主】に申し上げよう。「わが避け所、わがとりで、私の信頼するわが神」と。     詩篇91篇2節

聖書箇所
ルカの福音書 8章40~56節

説教
2人の女性の癒し  田口勇新牧師
MP3音声ファイル

言(こと)ローグ34/「信じ続けなさい」か、「今、信じなさい」か
  イエスさまは、ルカ8章50節で、「恐れないで、ただ信じなさい。そうすれば、娘は直ります。」と、ヤイロの使いに申し送りました。ヤイロはイエスさまの期待に応えて、ただ信じて待ったでしょうか? 新約聖書は、ギリシャ語から訳されていますが、原典を忠実に書き写した写本をもとに翻訳しています。新改訳聖書は、共同訳と同じく、ネストレ27版というギリシャ語聖書の翻訳です。27版以前のこの部分の写本は、「恐れないで、ただ信じ続けなさい(現在命令形)。そうすれば、娘は直ります(救われます)。」となっていましたが、ネストレ27版では、「信じ続けなさい」が、「信じなさい(アオリストの命令形)」に変わりました。アオリスト形(不定過去形)で書かれた写本を採用したわけです。つまり、「はっきりと自分の明確な意志をもって『信じる』」ということが強調されています。そうすれば必ず救われるのだ、とイエスは語っています。が、何を信じるのでしょうか? 世界の多くの言語では、「信じる」は、「信頼する」とほぼ同義語ですがギリシャ語もそうです。「私、イエスを信じ、ただ信頼しなさい」と主はおっしゃったのです。医者のルカは、神のご聖霊に導かれて「ルカの福音書」と「使徒の働き」を手紙の形に書き留めました。その資料はぼう大緻密(ちみつ)で、恐らくガリラヤのカペナウムまで行って、このエピソードから20年後のヤイロと娘さんにも直接会ってインタビューしたかもしれないと想像します。ローマ市民であったルカは、パウロと同行していない期間もかなりありますから、その間にガリラヤを訪ね、イエスさまの言行録の主な舞台となった町々を訪ねたのではないかと思います。あの12年間、婦人病で苦しんだ女性も40代以上になっていたでしょうが、果たして会って、弟子たちの証言を確認できたでしょうか。想像するだけでも楽しいことですね。                                                                   (銘形「ルカの福音書を味わう」から一部引用)